生身の29歳、雌、独身。
昨日の午後のこと。
窓の少ない職場において、
唯一陽の光を浴びることができる、お客様用のエントランス付近。
宅配便の荷物を取りに階段を降りていた。
そんな時だった。
階段踊り場まであと3段、
階段の縁を眺め、そこに映り込む自分の足。
立って座って走り回っての繰り返しで、
少しだけ擦り切れた冬用の分厚い靴下。
足がむくんで見えるのは靴下のせいだと信じながら踏み出す一歩。
唐突に、頭に言葉が浮かんできた。
生身の29歳、雌、独身。笑えないなぁ。
なんでこの瞬間なのか、
自分でも混乱した。
確かに、昨日は軽ーい仕事ばっかりで、
どちらかというと、日頃できない細々したことを片付けるため、
あんまり頭使ってなかったから、
思考は別次元にひとり旅してたけども。
そのあとはもう悲惨でした。。
側から見れば全くの通常運転に見えたでしょう。
いつも通り仏頂面でパソコンと相対してるんだから。
でも、頭ん中はスパコンもびっくりな感じで何故どうしての繰り返し。
29歳も雌も独身も、ついでに生身であることも、
わかってるし逃げられないし、今に始まったことじゃないはず。
なんで、笑えないって思っちゃったのか…。
いや、日々笑ってるけども。
午後の時間を費やして、私の頭が打ち出した答えは以下の通り。
まずは背景から。
陽の当たるエントランスで、空を眺めた時、
あったかくて、少しだけ幸せだなぁって思ってしまったの。
それに対して、私の頭が返答した。
あなたにとっての幸せ、そんなもんなんかい。
他の人間でそんなこと思う人いるのか。
そもそも、幸せって相対評価でしょ。
無一文素寒貧な人が、100円玉を見つけたら、幸せでしょうが、
税金対策に頭を悩ませてるお金持ちの視界に路上の100円玉が入っても、
おそらくなんとも思わないでしょう。
現状の私は、陽の光が当たるレベルで幸せになれちゃう、チープな人間。
同じ29歳、同じような環境下にいた人達の事を思い出した。
海外で勉強、仕事。
人と関わり、人脈形成。
今年多かった、結婚、出産。
多分こんな事を経験した人達の幸せの閾値は高いのだろう。
私からしたら想像を絶する、別世界のようなお話を実体験して、
写真の中で笑ってる人達のことを思い出したら、
自分が、惨めに、なったんだろう。
でも、それに対して自分が講じる対策を持ち合わせておらず、
ぶっちゃけ、この先も自分には縁遠い事だって思っているから、
少しだけ諦めていて、
だから、笑えないなぁって、言葉になった。
ま、笑えない事実は揺るがないけど、
口角上げるくらいならできるわけだし、
ありがたいことに年を越すのに辛さを覚えるような環境下にもない。
学生時代、ガス代をケチって白い息の消えない部屋で布団に包まってたからよりはるかに幸せだ。
未来に対する希望は無くなったけどね。
とりあえず、今のところは、
こんな事を無限ループしてたら、あっという間に歳をとるけど、
それもまた一興かもしれないし。
なるようになると思うことにしよう。